ソーシャルスタイル別・リモートワークでのコミュニケーションの特徴と対応のポイント
フルリモートワークの会社に入り、対面で会ったことがない人も含めてオンラインコミュニケーションだけで会社のほぼ全員のソーシャルスタイルを分類しマッピングする、ということをやったので記録しておきます。
目次
前提:チームで仕事をするには、徹底的な自己理解と他者理解が大切
チームワークの前提は、徹底的な自己理解と他者理解だと考えています。
私はチームメンバーの能力・スキルの部分、及びそれらのベースとなるふるまいや行動特性を理解しておくことを大切にしています。
スキル(できること)については、入社したての頃に、私とタッグを組んで仕事をしているバディや上長に教えてもらったので、入社後は特に行動特性の理解に時間をかけました。
ソーシャルスタイル分類を使い、チームメンバーの理解を深めるきっかけに
行動特性とその人のタイプの把握には「ソーシャルスタイル」というフレームワークを使いました。
なお、デジタルキューブという会社はコロナ禍より前、創業当時からフルリモートワークであるため、基本的なコミュニケーションはすべてオンライン。私自身、社員の半数とは直接会ったことがありません。
なので、ほぼすべてオンラインのやり取りからソーシャルスタイル分類を行いました。
タイプ分けをしながら、対応もソーシャルスタイル別にちょっとずつ変えるようにしてみました。
なぜチームメンバーを理解しておくと良いか?
2つ理由があります。
1. 単純に目の前の仕事が回しやすくなるから
人によると思いますが、私の場合で言うと、相手を分かった上で動くのと相手を知らずに動くこと、どちらが良いかというと当然ながら前者の方が圧倒的にお互いにやりやすいです。
2. 結果が出るまでのスピードが早くなるから
1に関連しますが、前提のコミュニケーションにかける時間が最低限で済むので、結果が出るまでのスピードや手間が変わってきます。肌感ですが、お互いに前提が共有できている状態で行動すれば、スピードもさることながら成果も出やすくなると思っています。
どれくらい理解すると良いか?
私は勝手に「エア〇〇さん」と呼んでいるのですが、「まるで自分の肩の上に乗って発言しているように思えるくらいにその人を理解すること」を目標にしています。
(危ないやつだと思われそうですが)徹底的に理解すると、肩の上のその人に何か聞くと答えてくれるようになります。
ソーシャルスタイルとは?
私の理解と解説は非常に雑なので、ソーシャルスタイルそのものの解説については、他の記事を参考にしてください。
参考記事
ソーシャルスタイルとは?4つのタイプとその特徴をご紹介! | HRhacker
あなたは何タイプ?コミュニケーション上手になるための4タイプ診断法
ここでは、ざっとだけ知りたい方のために各タイプの傾向についてざっとだけ説明します。
縦軸が感情表現の大小を表し、横軸は意見の主張度を表します。
右上:「ドライビング」
感情表現を抑え、主張するタイプ。「冷静沈着・合理的」で、経営層やマネジメント層に多いと言われている気がします。
左上:「アナリティカル」
左の、感情表現抑えめで意見を聴く側なのがアナリティカル。「数字や論理、分析的な思考」のタイプです。エンジニアは、職業柄、比較的ここにあてはまりやすい気がします。
左下:「エミアブル」
感情を表し、かつ意見を聴くタイプ。空気を読んで協調的な、いわゆる「いい人」です。場合によっては優柔不断に見えることもあるようです。
右下:「エクスプレッシブ」
感情を表し、かつ主張するのがエクスプレッシブ。体育会系の営業は割とこのタイプが多いような気がします。
ソーシャルスタイル別・オンラインコミュニケーションの特徴と対応のポイント
以下は、ソーシャルスタイル別のオンラインコミュニケーションの特徴と、各タイプへの対応ポイントです。
私の少ない経験及び独断と偏見でまとめておりますので、あくまでも「アハハ〜( ^ω^ )」くらいのテンションでご高覧ください。
ドライビングタイプのオンラインコミュニケーション
- とにかくゴール、成果、結論といったことを気にします。
- コメントにそれらの情報がないと容赦なく突っ込んできます。
- ただの相槌だけのコメントをあまり好まない傾向にあるようです。
- 時間を大切にする意識が強く、レスは基本的に速いです。
- 回答がいいねのみ、OKやYesといった一言コメントのみなど非常に淡白な傾向にあり、冷たい人に見えがちです。
ドライビングタイプへの対応
- このタイプは、この人の意思決定の速度や仕事の速度を鈍らせないようにします。
- まずは何よりも結論を先に書くことを心がけます。
- 「確認します」など、ただの相槌だけの返答は好まないので、すぐ対応できそうなことはさっと終わらせて完了連絡だけコメントするくらいのスピード感で対応しましょう。
- 質問する場合は背景や要点をまとめるなど、極力ストロークを少なくするように心がけます。
アナリティカルタイプのオンラインコミュニケーション
- 5W1H、SVOCなどとにかく具体的な情報を求めます。性格的なものでもありますが、仕事の役割や性質上、誰がいつ何をした・するのか、の情報を得た上でないと動けない立場であるという理由もあるようです。
- マメなタイプなので、期日を守り、また的確に仕事をこなします。
- テンションは高くなく、コメントに!や絵文字を使うことは滅多にありません。
- 没入するタイプなので、何もコメントをしない静かな時間があります。
アナリティカルタイプへの対応
- まず何より情報を具体的に伝えることを意識します。コメントする前に、必ず5W1H、SVOCに抜け漏れがないか確認するくらいでも良いと思います。
- 何か質問する場合は「あなたの回答がYesの場合はこのようにします、Noの場合はこのようにします」など、回答の先が見えるようにすると良いでしょう。
- 静かな時間を保てるように、この人のコメントが欲しい場合は「緊急度」などを伝えておきます。緊急でなければそっとしておきましょう。
エミアブルタイプのオンラインコミュニケーション
- エミアブルはその協調的な性質がゆえに、チームの合意や周囲からの見え方を気にする傾向にあります。
- 「なるほど!」「そうなんですね!」といった共感的な相槌が他のタイプよりも多めです。
- 他の人に相談を投げかけるのもこのタイプが多いかもしれません。
- コメントに、比較的記号や絵文字を使います。
- 気を遣いすぎるがゆえに、期日ギリギリになったり、また遅れてしまうことがたまにあります。
- 「今からこの仕事をします」「今忙しめです」など、自分の行動を周知するのも割とこのタイプが多いです。
エミアブルタイプへの対応
- このタイプを相手にする場合は、まずその空気読みな性質を尊重しましょう。
- ありがとう!助かりました!と感謝の気持ちを伝えましょう。
- この人が抱えるタスクが期日ギリギリだったら、「大丈夫?何か手伝えることはある?」と聞いてみましょう。
- このタイプに何か伝える時は、判断の軸や思考の方向性を丁寧に共有すると良いと思います。
エクスプレッシブタイプのオンラインコミュニケーション
- エミアブル同様に、コメントに記号や絵文字、擬音を使う傾向にあります。
- 期日はあまり気にしません。自分が乗っている時は仕事がやたら早く、そうでない時は少し遅延するなど、仕事にちょっとムラがある傾向にあります。
- オンラインでもテンポの良いやりとりを好みます。
- 5W1Hなどはあまり気にせず、感覚的なコメントが多い傾向にあります。
- 相槌だけのコメントや、質問を1つのコメントにつき1つしか記載しない傾向があります。
- アナリティカルやドライビングに「コメントの意味がわからない」「もっと具体的に」「要点をまとめて」と言われてしまうことがあります。
エクスプレッシブタイプへの対応
- このタイプは直感的で率直、ノリが良いのが売りでもあります。
- オンラインコミュニケーションが得意ではない可能性もあるので、言語化できるように手伝ってあげると良いでしょう。
最後に
- 相手は人ですので、きれいにソーシャルスタイル分類できないケースの方が多いと思います。 「アナリティカル寄りのエミアブル」「基本はエミアブルだけど、この仕事の時だけドライビング」といったケースも多々あるので、柔軟に考えましょう。
- 大切なのは、仮説を立てることと、検証しながら仮説をアップデートすることなので、書かれてあることを鵜呑みにしないでください(責任は取りかねます)。
- ご意見やご感想・「こんな特徴もあるよ!」的な改善のアドバイス大歓迎です。